１１年後。阪神は普通に甲子園で試合ができていた。幸せなことだ。同一リーグのライバル、中日を粉砕した１軍。ほぼ同時進行で、鳴尾浜球場でも虎の弟が中日と戦っていた。

ルーキーイヤーに遊撃のレギュラーを勝ち取った中野が、故障も癒え、いよいよ開幕へ向けて一歩前進。近未来は明るい。もっと先の未来を考えたら、ドラフト４位ルーキー前川（智弁学園高）が３安打２打点。頼もしき高卒ルーキーだ。

あれは２月上旬の２軍キャンプ地・安芸でのこと。視察に来ていた川藤ＯＢ会長が手招きする。

「おい、今、タイガースは（背番号）１番が空いてるんやろ？」

はい、空き番です。レジェンド鳥谷が去って以降〝ふさわしい選手〟が現れるまでは…という球団方針を聞いてますよ。

「あそこに、ふさわしい選手がおるやないか。今すぐ、前川に１番をつけさせろ！　５８番をつけてたら、５８番の選手になってしまうんや！」

そんな権限、ありませんと言ったら、直後のインタビューで平田２軍監督に直談判。相変わらずムチャクチャだ。まあ、それぐらい、ホレボレする打撃をしていた証拠でもある。野球経験のない者にもすごさは伝わってきた。

１１年前は長い。〝あの日〟まだ小学１年生だった前川が、こうして未来のタイガースを照らす一員になろうとしているのだから。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/cc49992be4471b16a4d4142929cb34b307c06e8c

前川選手は将来的には6を入団会見では希望していましたね
華々しい教育リーグでのデビューやキャンプの視察情報などを見ると本当に楽しみな選手が入ってきてくれたと思います
阪神は1も6も適任者が現れるまでの空き番、個人的にはどちらでも彼の好きな方でいいと思いますが、素晴らしい選手に成長してどちらかを引き継いでほしいと思います。

川藤会長の言い分もよく分かる。
しかし私はオリックスで背番号51を背負い続けたイチローみたいに、58を高めて「タイガースの憧れの番号」と言われるような選手になってほしい。
背番号１は多数のスター選手がいるが、58でスターになれたらまず前川選手が記憶に残る。