力負けしなかった。２点リードの４回無死一塁。佐藤輝は床田の１４０キロ直球を振り抜いた。「少し詰まってましたけど、行くだろうなと」。バックスクリーンに飛び込む飛距離１３１メートルの５号２ランは自身初の２試合連発。４月中の５本塁打到達は球団新人初の快挙だ。今季新設された「ＤＡＺＮ　バックスクリーンホームラン賞」のチーム第１号となり、賞金１００万円もゲットした。

　気になるお金の使い道はやはり、佐藤輝らしい回答だった。「お世話になった方々に（何かに変えて）配ります」。ドラフト指名後も各方面に感謝を示してきた。昨年末には約４年前から打撃マシンが故障していた仁川学院高（兵庫）に約１００万円する高級マシンを寄贈。今年３月には近大に体成分分析装置「ＩｎＢｏｄｙ」、打撃マシンに自動でボールを供給する「供球機」、「ｉＰａｄ」をプレゼントした。特に「ＩｎＢｏｄｙ」は体内の状態を正確に測定できるもので、各自がスマホで数値を把握できる。それまで野球部は農学部から機器を借りていたといい、まさに的確な“補強”。「後輩には頑張ってほしい」という本人の優しさが詰まっている。

　２回には高々と打ち上げた打球を右翼・鈴木誠が見失うラッキーな二塁打。自己最長の５試合連続安打とした。前回対戦では３打席連続三振を喫した床田に見事にリベンジを果たし、成長した姿を披露。矢野監督は「芯だけでしか本塁打を打てないような打者ではない」と目を細めた。

　チームは今季初の５連勝を飾り、貯金９。背番号８が一発を放てば２月の練習試合を含めて１２勝１分けと“不敗神話”も継続だ。「やっぱり盛り上がるので、ホームで打つのが一番うれしいですね」と怪物ルーキー。誰もが見とれる弾道を描き続ける。

https://news.yahoo.co.jp/articles/724c79bd6fbd94ea59e0d8e95e03976e75d060a4

人間的にも素晴らしい

文句のつけようのない選手だ…