最後の４割打者テッド・ウィリアムズ氏が「今まで見た中で最速」と言った、スティーブ・ダルコウスキー氏が２０日（日本時間２１日）、入院中の病院で死去した、とＡＰ通信が２５日（同２６日）伝えた。

　新型コロナウイルスの症状も見られた、という。同氏はアルコール性認知症で２６年間入院生活を送っていた。

　左腕からの剛速球投手として知られた同氏は一度もメジャーに昇格することはなかった。１００マイル（約１６１キロ）はおろか１１５マイル（約１８５キロ）。はたまた１２５マイル（約２０１キロ）投げたという伝説を残した。
そして、オープン戦で対戦したことのあるウィリアムズ氏の「最速」で打席に立つのが恐ろしかったなどとのコメントもあって、一気に米国で知られることになった。

　あるときには、スピードを測ろうとしたが、まともなコースに投げられずに断念したという逸話もある。

　ケビン・コスナー主演で邦題「さよならゲーム」として日本でも上映された映画「ブル・ダーラム」のモデルはこのダルコウスキー氏だった。

　１９５７年オリオールズのマイナーと契約したダルコウスキー氏は９シーズンのマイナー生活で９５６イニングを投げ１３２４個の三振を奪うも１２３６の死球を出すなど制球難は最後まで克服することなくユニホームを脱いだ。