もう、グズグズしてはいられない。雨が降ろうが、やりが降ろうが、あの天敵が舞おうが、全シーズン突っ走るために。北條は“肉体改造”を進めてきた。もう、キャンプだけの男とは言わせない。花粉に勝ち、レギュラー争いにも勝つ。

　「（症状が）ひどかったんで。分かってることなんで。いつもその時期（状態が落ちる）。もう１１月とかオフからやってみようって思った」

　２月に抱く希望と、シーズンへと描く調子の上昇カーブは、毎年春先に無残に散った。北條は２０１７年と昨年と、直近３年で２度も沖縄・宜野座キャンプの指揮官選出ＭＶＰに輝きながら、レギュラーをつかめなかった。もちろん、花粉症は一つの要因に過ぎないのかもしれない。だが、明らかな要因が一つでもあるのなら、それをつぶしておきたかった。

　「薬とか化学調味料とか。結構（体質が）変わると聞いたので。ビタミンの錠剤を毎日とるようにしたり」と地道に取り組んだ。「血液検査をして、自分がどんなアレルギーを持っているかとかも調べたり」と、昨シーズン終了直後から半年計画で進めてきた。

うーん粘膜焼かへんかったんか…