阪神の藤浪晋太郎投手が４日、“勝負のマウンド”に上がり、居場所をつかみ取ると誓った。６日の広島戦（甲子園）で約３か月ぶりの先発。２年連続開幕投手を務めたものの、いまだ白星なしの右腕にとっては限られたチャンスだ。この日、甲子園での投手練習に参加し、ブルペンに入った右腕は「いいものを見せて、使いたいと思ってもらえるような投球ができれば」と意気込んだ。

　先発ローテを外れているガンケルとウィルカーソンは１軍に帯同して調整。３日の中日戦で３年ぶりに勝利を飾った才木もこの日出場登録を抹消されたが、再登録が近いことを踏まえれば、最初から背水の陣の登板となる。藤浪は「せっかく１軍で投げられるチャンスなので」と“一発勝負”を自覚した。

　今季は、昨オフの契約更改から「完全に自分のエゴで先発をやりたい」とこだわり続けたが、５月に救援転向。６月に再び先発調整が告げられ、「希望するところでやらせてもらえる」と前を向いた。ファームでは「変化球は多めに投げてきた」と手応え十分。福原投手コーチは「しっかり結果を出していかないといけないところ。期待しています」と強調した。巡ってきた１軍登板で、迎え撃つのは天敵だ。

　広島戦の通算成績は３２試合で１１勝１２敗、防御率４・３３（救援除く）と相性がいいとは言えない。右腕は「カープの一番やらしいところは打線のつながり。余計な走者を出さないように」と警戒した。チームは今シーズン、赤ヘル軍団に０勝９敗２分と未勝利。チームにとっても右腕にとっても倒したい相手だが、「気にするところではない」ときっぱり。自分の投球だけに集中し、天敵退治でローテ入りへ望みをつなげる。