２０２１年「東京ドームＭＶＰ賞」に輝いた岡本和（東スポWeb）

　３位から下克上での日本一を狙う原巨人に緊急事態だ。阪神とのクライマックス・シリーズ（ＣＳ）ファーストステージ（６日〜、甲子園）に臨む巨人のカギを握る「不動の４番」岡本和真内野手（２５）が１日、２日連続で別メニュー調整となった。今季全試合４番で出場した主砲の回復を信じる一方、万が一の場合の〝代役４番〟に「あの男」も候補に挙がるなど注目が集まっている。　

　岡本和は東京ドームでの全体練習で大事を取ってグラウンドでの練習を回避。バックヤードの練習場で個別にコンディションを整えたという。

　１０月３１日の守備練習中に左わき腹付近に異常が発生した模様で、その後に予定された打撃練習を取りやめていた。球団によると、チームドクターの見立てでは骨折などの可能性はないという。

　原監督は「（グラウンドで）練習するよりは、室内の範囲で練習やった方が明日のためということで」と説明すると、症状について「正常ではないでしょうね。必死に戻ろうとしていますよ」と回復を願った。一方、東京ドームＭＶＰの会見に出席した岡本和は状態を聞かれ「そうですね。今はしっかり調整してやってるので、はい、頑張りたいなと思います」と具体的に言及せず前を向いた。

　２０１８年には死球で右手親指を骨折しながらシーズンを完走したタフガイ。超回復を信じるしかないが、リスクマネジメントとして代役は必要だ。

　今季は岡本和が全試合で「不動の４番」を務め４年連続３０号をクリア。それだけにチーム内からは「和真の存在が大きくなるほど、代役４番選びは難しくなる」との声が上がる。

　１８年途中の４番起用後、背番号２５の不調や欠場時は阿部、坂本ら過去の４番経験者が代役を務めた。今季終盤、主に２番を務めた坂本は代役候補の１人。２０年に岡本和が２試合でスタメンを外れた際に「巨人軍第９０代４番」を務めたのが丸だ。今季、苦しんだもののシーズン終盤にかけて復調しており最右翼だろう。

　一方、プレッシャーのかかる短期決戦では長年の「４番経験者」への期待も大きい。日本ハムと侍ジャパンで「不動の４番」を経験している中田も当然、代役候補に名を連ねる。楽天時代に４番を務めたウィーラーも外すわけにはいかないという。

　もちろん岡本和がＣＳに万全な状態で間に合えばすべて〝杞憂〟に終わるが…。指揮官が「先のことはね、なかなかお釈迦さまだって分からないよ」と話したように、最悪の事態への想定は必要。果たして〝巨人軍第９１代４番〟誕生は現実のものとなるのか。

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