編成部長として、２００４年に「日本ハム・新庄」の誕生に尽力した三沢今朝治氏（８０＝現ＢＣリーグ・長野県民球団会長）が２３日にキャンプ地の沖縄・名護を訪れ、新庄剛志監督（５０）やフロント陣を表敬訪問した。久しぶりの再会で旧交を温めた「ビッグボス」について三沢氏は「選手から立場が変わったけれどいろいろ考えているし、これからどんどんいいものを出していってくれると期待している」と切り出し、その魅力を存分に語った。

「彼は野球人としても魅力があるし、人間的にも裏表がない。非常に素直で、人に見せるためにパフォーマンスをしているんじゃなく、自分が楽しむためにやっている。誰もが好感を持てるものを持っている。普通の監督が『ファンは大事だ』と思っている以上に『本当に大事なんだ』という考えを持ちながら、じゃあ実際にどうしたらいいのかを考えている。そういうウソのない人間性をファンの人たちが楽しみにしているんじゃないかな」

　ビッグボスの人間的魅力をそう分析する三沢氏は、浮かんだアイデアを短期間で次々と形にする実行力についてもこんな見解を示す。

「パフォーマンスとしてただ口で言っているんじゃなくて、本心からそう思っているからどんどん実行できるんじゃないですか？　それが相手にも通じるし、受け入れられる。彼がやれば周りも『何でこんなことを？』と言わないし、信用もできるからやりやすい環境を自分でつくってもいる。他の監督がマネしてやろうと思っても違和感がある。心の底からそう思っているよね。言葉が合っているか分からないけれど、純真というか子供っぽいところがある。実際は大人なんだけど、それがいい形で出てくる」

　派手な言動とパフォーマンスで世間の注目を集め、周りに人が集まってくるスター指揮官には三沢氏も大きな期待を寄せている。

「僕が一番期待しているところは、伝統ある日本の野球界で、これまでにない監督像をつくってもらいたい。今までの監督像から大きく逸脱して違った形のものをつくりあげてもらいたい。次の人がマネをしようと思ってもできないかもしれないけれど、そういうものをファンは喜ぶし、子供たちが野球をやりたいと思うような新しい形をつくってもらいたい」

　ビッグボスの見せる新たな監督像が破天荒であればあるほど、日本球界の裾野を広げることにつながる――三沢氏はそう信じて疑わない。

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