“二遊間戦争”勃発や！！　阪神は２３日、鳴尾浜で合同コーチ会議を開き、２月１日から始まる春季キャンプの沖縄・宜野座１軍メンバーを決定した。矢野燿大監督（５０）はともにリハビリ明けの上本博紀内野手（３２）と北條史也内野手（２４）を選出。初実戦の紅白戦を２月７日に前倒しすることを明かし、二遊間のレギュラー争いに期待を寄せた。

　戦える者には、戦いの場に来てもらう。矢野監督が、リハビリ明けの上本＆北條を１軍の宜野座キャンプメンバーに組み込んだ。気温も争いも、アツければアツいほどいい。横一線の“二遊間戦争”が勃発する。

　「（上本は）『やれる』って言っているよ。北條にしたってそう。やれなかったら連れて行かないんだけど、やれるという判断。トレーナー報告も、もちろん本人にもね、確認はしている」

　間に合った。間に合わせてくれた。最高のぶつかり合い、競争のためには、誰も欠けてはならなかった。矢野虎１年目へといよいよ踏み出す「２・１」を目前に、２つのピースがカチッとはまった。上本と北條－。復帰が危ぶまれた二遊間のキーマンが、宜野座からそろって争いに加わる。

　いきなり実戦に組み込む。その日がさらに前倒しになるというから、二重の驚きだ。この日の合同コーチ会議では紅白戦の２・７開催が決定。指揮官が続けて明かした。

　「もともとシート打撃か何かかな、と思ったんだけど。『それだったら紅白にしましょう』ということで、２月７日に紅白戦をする。もちろん上本も何かできないというのであれば、それは考慮するけど。基本的に１１日に紅白戦をするつもりやったから。出られるという判断で、確認はしているけど」

　上本としても、１１日の出場はのぞむところだったはず。４日早くはなるが、現地で問題がなければ出場してもらう。選手らには、押し出し合う土俵が“一番”増えるということも意味する。火花バチバチの競争をあおるための「もう一戦」であることは間違いない。

　昨年６月の「左膝前十字靱帯再建手術」からの復帰へ、慎重な歩みを続けてきた上本。この日も「ユニホームを着てしっかりできるか不安」と正直な心情を吐露した。だが、目下のライバルは昨季全試合に出場し今季はキャプテンにも就任する糸原だ。キャンプの早い段階から紅白に分かれ、白黒をつけるしか、勝っていくための道はない。

　昨年９月に左肩に亜脱臼を負い、復帰即の１軍キャンプとなる北條も同じだ。「結果を出さないと。選手はいっぱいいる」と自覚する。沖縄では遊撃再挑戦の鳥谷、植田、Ｄ３位・木浪聖也内野手（ホンダ）と争う。

　「グラウンド上では“いい人”では困るんでね。相手から嫌がられる、または、同じユニホームを着ていてもライバルはたくさんいる。その中でどう勝っていってやろうかという気持ちとか闘志とか、そういうのが出てくると楽しみ」

　矢野監督は意地と意地のぶつかり合いを待ちわびる。この争いを勝ち抜いた者には、信頼してレギュラーを託せる。

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