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少子化の8倍のスピードで急減…野球をする子供がどんどん少なくなっている根本原因
投稿日 2022年3月31日 07:21:54 (阪神タイガースまとめ)
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1: 風吹けば名無し 2022/03/30(水) 13:23:04.57 ID:xfLnBx5s0
小中学生の野球人口が「少子化の7~8倍」というスピードで急減している。全国大会でも優勝経験のある滋賀県の「多賀少年野球クラブ」の辻正人監督は
「うちのように『楽しくて強い』というチームが少ないからではないか」という。お笑いコンビ「トータルテンボス」の藤田憲右さんとの対談をお届けしよう――。(第2回/全2回)
※本稿は、藤田憲右『多賀少年野球クラブに学びてぇ! 』(インプレス)の一部を再編集したものです。
■子どもに野球をさせる環境が減ってきた
【藤田】全日本野球協会によると、小中学生の野球人口は2007年に66万4415人だったのが、2020年には40万9888人まで減ったそうなんです。子どもの数が減っているから野球をやる子が減るのは当たり前という人もいますけど、この減り方は少子化の7~8倍のスピードらしいんですよね。
だから学童野球人口が減っているのは少子化だけが原因じゃないと思うんです。野球の魅力が低下しているというよりも、子どもに野球をやらせる環境が昔よりも減ってしまったのかなと感じています。
【辻】それはあるでしょうね。
【藤田】そこには都市部と地方でだいぶ違いもあると思うんです。例えば多賀ではグラウンドが二面使える練習場があって、さらに隣にはテニスコートを改良した練習スペースが二面もある。グラウンドにはまず困らないですよね。
でもうちの子が所属している世田谷のチームだと、まず道路が混んでいることが多く車で40分かかってしまいます。だから自転車で移動していますがそれでも30分はかかります。
グラウンドも2時間制だったりするので、例えば河川敷のグラウンドを2時間使ったら、今度は区の公園の中にあるグラウンドに移動したりするんです。
その移動も車だと時間がかかるので当番の保護者が先導して子ども達を自転車で移動させるんです。
【辻】近くの小学校で練習はできないんですか?
【藤田】昔は使えていたと思うんですけど、今は校庭開放がなくなってしまいましたね。僕の住んでいる地域あたりだと、今は公園や広場でもボール遊びすらやらせてくれないところが多いです。都会では子どもが野球をする環境が大きく変わってしまいましたよね。
野球に対する世間の注目と協力が昔よりも減ったということなんでしょうけど、野球をやる子ども、やらせたいと思う保護者が減ったことが原因だと思うんですよね。
【藤田】最近は子どもが野球を好きになるというか、野球チームに入るきっかけが大幅に減りましたよね。
【辻】メディア的な面での接点は減りましたね。
【藤田】昔は地上波で当たり前のように巨人戦が放送されていて、プロ野球が全然分からない女子でもクロマティを知っていたりとか、巨人ファンじゃない子でも巨人の選手の応援歌を口ずさんだりとかしていましたよね。ヤクルトの池山隆寛の下敷きを持っている女子がいたりとか(笑)。
【辻】あと野球のアニメとかね。僕は毎週『ドカベン』を見るのが楽しみで楽しみで。他にも野球のアニメがたくさんありましたよね。本当に日常生活の中で野球との接点が減ってしまいましたよね。
【藤田】昔は公園などで子ども達が野球をやっていましたよね。ちゃんとしたチームではなくて、友達同士で野球をやるみたいなね。そういう野球との接点もなくなりましたね。うちの息子も僕が言わなかったら多分野球に興味を示さなかったと思うんです。
小さい子ども達が野球に触れる機会って、今はニュースで報道される大谷翔平のメジャーリーグでの活躍くらいじゃないですかね。息子の小学校では同じ学年で野球をやっている子が4人しかいないんです。今野球をやっている子って、保護者が野球をやっていたケースがほとんどだと思うんですよね。
【辻】確かにそうですね。
【藤田】自発的に「野球やりたい!」ってチームに入ってくる子は昔に比べて全然少ないと思うんです。いても全体の1割くらいじゃないですかね。その貴重な1割だって、保護者が近所の野球チームの体験会などに連れて行った時に、そのチームが古い体質だったら野球をやらせたくないと感じるケースも多いと思います。そうなると野球をやる子が減るのも当前だなと思ってしまいますよね。
【辻】なるほどねぇ。
【藤田】小学生の親世代である僕らは、まだ辛うじて野球熱があった時代を子どもの頃に過ごしているんですよね。今の子達が親になる20年後、30年後とかにはもっと減っている気がします。
【辻】野球をやっていた保護者全員が自分の子どもに野球をやらせていたら、今こんなに減っていないですよね。
【藤田】だから、今何かを抜本的に変えていかないといけないですよね。
【藤田】サッカーってボール1つあったらできますし、ルールを知らない小さな子でもなんとなく見よう見まねでできてしまうじゃないですか? でも野球ってまず、打つ、投げる、捕るが見よう見まねですぐにできないんですよね。
【辻】確かにそうですね。野球はなんとなくじゃなくて「野球をやる」と思わないとできないですよね。
【藤田】ある程度できるようになるまでの技術修練がすごく必要なスポーツですよね。時間も手間もかかる。ただでさえ野球との接点が少なくなっている今、そのあたりも野球を選ばない子が増えている原因の一つだと思うんですよね。
【辻】それはあるでしょうね。
【藤田】あとは学童野球から高校野球までエリートスポーツ化していると思うんです。学童野球も毎年勝ち上がる強いチームは決まっていませんか?
【辻】大阪だと勝ち上がってくる4チームくらいは大体決まっていますね。滋賀はその年によって2番手、3番手が変わってくるという感じですね。ただ、各地区の代表で出てくるチームは大体決まっていますね。
【藤田】それが中学、高校でも同じ状況になっているように思うんです。強豪高校に進めるのってほとんどが中学時代に名を馳せた野球エリートですよね。その野球エリートが多く集まっている高校が甲子園に出てくる割合が昔よりも高くなっている気がします。でもその一方で野球をやる子は減っていき、チーム数も減り、合同チームなども多くなっている。そもそもお金もかかる。
【辻】道具にお金がかかるのは確かに大きいですよね。
【藤田】そこも含めて野球がエリートスポーツ化していますよね。そこも考えていかないといけない問題ですよね。
■教育や躾はもはや野球のアピールポイントにはならない
【辻】僕は33年監督をやってきましたけど、ここ数年感じているのは家庭で子どもの教育がしっかりできているということです。
【藤田】家庭での教育、ですか?
【辻】何が言いたいかというと、昔ってちょっと元気が良すぎて手に余るような子をチームに預けたりしていたと思うんです。僕も昔は保護者によく言われましたよ、「なんかあったらシバいたってください」とかね。家庭ではできない子どもの教育を学童野球チームに求めていたと思うんです。
【藤田】なるほど。確かに。
【辻】でも今の子どもって、昔に比べて成長が3、4年早いと思うんです。昔よりも子どもが大人なんです。だから昔みたいに野球チームに教育や躾を求めたりしない保護者が増えましたよね。そこに学童野球の価値をあまり感じていないと思うんです。
それなのに、野球をやったら礼儀、挨拶、マナーが身に付きます、みたいなことを謳い文句にしているチームが多いじゃないですか。もちろんそれは悪いことではありません。でもそもそも今の時代の子はそれができている子ばかりなので、そこをアピールしても保護者の心には刺さらないと思うんですよね。
【藤田】礼儀、挨拶、マナー、とは違うアピールポイントがないと選ばれにくくなっているということですよね。
【辻】そう思いますね。
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Source: 阪神タイガースちゃんねる
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