西東京大会では、名門・早実の“スーパー１年生”が勝利に大きく貢献する働きを見せた。「３番・遊撃」で先発出場した宇野真仁朗内野手（１年）が５打数３安打１打点と躍動。同校ＯＢのソフトバンク・王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーや、日本ハム前投手コーチの荒木大輔氏、元日本ハムの斎藤佑樹氏、日本ハム・清宮らに続く、新たなスター候補に名乗りを上げた。

　スーパールーキー・宇野が炎天下のグラウンドを駆け回った。憧れの早実ユニホームを着て夏１勝に貢献。「夢にまで見ていたというか…。それくらいのことなのでうれしいです」と声を弾ませた。

最大の見せ場は六回だ。２死二塁で変化球を捉え、右中間に打球を運ぶと一気に本塁へ激走。生還と同時に、右手で大きくガッツポーズした。ただ、記録は三塁打と中堅失策となり、ランニング弾は幻に。公式戦初本塁打もお預けとなったが、２点追加で４－０とし流れを渡さなかった。

　小学６年時にＵ１２日本代表、中学３年にシニア日本代表に選出された経歴を持つ。「小学生の時から見ていた」ことと、兄・竜一朗さん（早大２年）がＯＢということもあり早実に入学した。今春東京大会では入学式直後の豊南戦でいきなりスタメン出場。ソフトバンク・王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーや、荒木大輔氏、斎藤佑樹氏、日本ハム・清宮など数々のスターを輩出した名門で最も注目される逸材だ。

打撃だけでなく守備にも定評がある。この日も初回、先頭打者の頭上を襲った打球を、ジャンプして捕球。和泉実監督（６０）も「あそこを捕ってくれたのは大きかった」と褒めちぎった。早実が最後に甲子園に出場したのは１７年春。５年ぶりの聖地へ、新たなスターの誕生がカギとなる。

◆早実のスーパー１年生と甲子園　王貞治は１年生だった１９５６年夏、背番号「１１」で出場した。２年春は優勝投手。同夏は２回戦・寝屋川戦で無安打無得点。３年春も出場した。荒木大輔は８０年夏に１年生投手として４完封などの活躍で準優勝。
８２年夏まで５季連続出場した。清宮幸太郎は１年だった１５年夏の甲子園で２本塁打を放ち、３年春も出場。斎藤佑樹は３年時に春夏連続出場し、３年夏は駒大苫小牧との決勝再試合を制し優勝した。

◆宇野　真仁朗（うの・しんじろう）２００６年７月５日生まれ、１６歳。千葉県浦安市出身。１７７センチ、７８キロ。右投げ右打ち。内野手。小学４年から浦安ベイマリーンズで野球を始め、６年時にＵ１２で日本代表を経験。千葉・日の出中では市川シニアでプレーし、３年時にシニア日本代表に選出された。早実では１年春からベンチ入り。高校通算７本塁打。５０メートル走６秒１。

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