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田澤純一の指名見送りは必然?「防御3.94、奪三振率6.75、来年35歳」という“現実の数字”に下された判断
投稿日 2020年10月28日 11:41:54 (阪神タイガースまとめ)
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10月26日、プロ野球ドラフト会議が行われた。コロナ禍によって例年と異なる様相を呈した中でもさすがの一大イベントだ。SNSのトレンド上位はドラフト関連ワードが独占し、多くの注目を集める結果となった。
その中でも、「この選手」に向けられた注目は、他の“ドラフト候補生”とは一線を画するものだった。
田澤純一。今年7月、アメリカ球界から帰国した元メジャーリーガーは独立リーグと契約して大きな話題を呼んだ。それも当然だろう。2008年ドラフトで1位指名が確実視されながらも単身海を渡ってメジャーへ移籍。若手有望株の海外流出を恐れたNPBが“田澤ルール”なる制度を作った渦中の人物が“12年ぶり”に日本球界の門戸を叩いたのだから。
レッドソックスではセットアップとして活躍し、2013年には上原浩治とともに世界一の立役者にもなった右腕は、メジャー9年間で通算388登板、21勝26敗4セーブ、89ホールド、防御率4.12という成績を残した。しかし故障や不振に苦しみ、2018年を最後に表舞台から遠ざかっていた。今季はコロナ禍でマイナーリーグが中止になると、プレーの場所を求めて日本の独立リーグへとやってきた、というわけだ。
そして田澤は、“新人選手”として今年のドラフト対象者にもなっており、果たして指名する球団があるのかと注目されていた。一部では巨人やDeNAなどが下位指名するとの報道もあったが、結果はどの球団からも声はかからずに終わっている。
「NPBの陰謀」「過去の言動から回避された」と、巷ではさまざまな憶測が飛び交っているが、ここでは冷静に『ドラフト候補・田澤純一』の立ち位置を改めて考えてみたいと思う。言うまでもなく、田澤よりも実績が上の選手は今年のドラフト対象者でいるはずもない。プロ野球を含めても彼の功績に届く選手がいるかどうか、というレベルである。ということはやはり、田澤が“嫌われていたから“指名されなかったのか……とはもちろんならない。
田澤は来年35歳を迎える完全なベテランだ。投手は一般的に30歳をピークに下り坂になるとのデータがあり、田澤の伸びしろがないとは断言できないものの、それほどあるとは言えない。つまり、指名する側は完全な「即戦力」として評価せざるを得ないし、「現時点の能力を上限として今後2、3年働けるだけの力を持っている」と判断できなければ、コロナ禍でただでさえ大幅な減収を強いられている球団の貴重な選手枠を使うことはできないだろう。
では、「現時点」の田澤の能力は“スーパー即戦力”たるものなのだろうか。独立リーグでの成績がこれだ。
■16試合(16.0投球回)/防御率3.94/12奪三振/WHIP1.12
独立リーグのプレーレベルがどこまでなのかは判断しかねるが、少なくともプロ野球一軍レベルにないことは確かだし、もちろんメジャーレベルでもない。とすると、今年の田澤の成績ははっきり言って「箸にも棒にも掛からぬ数字」である。というより、独立リーグの選手の中でも優れたものでもない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/81ae450f732e07af8f5104c39cdadb14099b98cd
10/28(水) 6:00配信
藤川も帰国後に独立リーグへ移籍。しっかりと実力を証明して再びNPBで活躍した。(C)Getty Images
防御率に関しては味方野手の守備力、つまり高いレベルのフィールダーならアウトにしていたであろう打球がヒットになる可能性もあるため、これだけでダメとは言えないが、奪三振率6.75という低さは擁護が難しい。メジャーの全盛時は9個台中盤だったことを考えると、いくら日本の選手が三振をしたがらない打撃をしているとはいえ、単純に空振りを奪えるだけの球威がないことの証左になっている。
世界一になった時はストレートが平均153キロ前後、切れ味抜群のフォークも素晴らしかった。しかし、今では最速150キロそこそことあって、“あの時”の田澤は完全に過去のものになっているし、その体型もキレを失っているように見える。メジャーだけでなく日本球界もレベルアップは進んでおり、もはや「150キロが大台」ではなくなった。今の田澤は、日本でも平凡なリリーバーになっているのである。
もちろん、独立リーグから見事な下克上を果たした投手はいる。最新のケースはヤクルトの歳内宏明だろう。2011年ドラフト2位指名で阪神に入団した歳内は故障もあって活躍できず、昨年に戦力外通告を受けると、台湾を経て四国IL・香川に入団した。すると、甲子園で沸かせた投球がよみがえり、今年は9先発で5完投、3完封、防御率0.42、WHIP0.53という驚愕の成績を残したのである。そして、その活躍が認められて9月にヤクルトに入団すると、1829日ぶりの白星を挙げるなど先発としてまずまずの活躍を見せている。
年齢的にも田澤に近いケースでいえば、藤川球児かもしれない。阪神で圧倒的な活躍を見せて海を渡った“火の玉ストレート”はメジャーでは活躍できず、日本球界へ復帰した。しかしその地は、甲子園ではなく、地元の高知県にある独立リーグだった。当時34歳の右腕は久々に先発に移ると、危険球退場の試合もあったが6登板(33.0回)で防御率0.82、2完投、奪三振率12.44という成績を残し、翌年に阪神へ復帰。今季は40歳という年齢もあって苦しい登板が続いたが、昨年までは時に抑えも務め、信頼のできるリリーバーとして活躍していた。
両者とも一軍経験者であり、藤川に至っては知名度も抜群だ。ビジネス的観点も多少は獲得に影響しただろう。とはいっても、彼らは独立リーグで間違いなく結果を残しており、田澤との決定的な違いはそこだ。歳内も藤川も“現在の力”が通用すると判断されたから契約が与えられたわけで、おそらく田澤に関しては「現在の力が通用しない」とされたのではないだろうか。
田澤は今後に関してはまだ明言しておらず、来季も独立リーグでプレーするかもしれない。もしかしたら新型コロナが収まり、無事にマイナーリーグが行われれば、再び渡米してメジャー復帰を目指すこともあるだろう。メジャー年金を満額(21万ドル/約2300万円)もらえるまであと1年に迫っており、もっと先の未来を見据えたら、それはまた納得のいく選択である。
ただ、どんな判断をするにしても、“現在の田澤”の実力は悲しいかな、最盛期の力がないのは疑いようのない事実かもしれない。
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Source: 阪神タイガースちゃんねる
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