同点の七回だ。梅野が２死から四球を選んで出塁した。打席には絶好調の木浪。ここで岡田監督が一塁走者の梅野にスチールのサインを送っていた。決してチームトップクラスの俊足を持っているわけではなく、中日の捕手・木下はスローイングに定評がある。失敗する確率が高い中で５球目にスタートを切り、結果はアウトになった攻撃を終えた。

　なぜスタートを切らせたのか、なぜ負ける確率が高い勝負を挑んだのか－。

　岡田監督は「初球からサイン出しとったのに。久しぶりに塁に出て忘れとったんちゃうか。自爆でいけと言うとったんや」と明かした。指揮官から出てきた「自爆」というキーワード。それはゲームの流れを俯瞰（ふかん）して見た上で、最大限、チームの勝利につなげるタクトだった。

　次の回に木浪から攻撃がスタートすることも考えてという問いに「そうや。井上から始まってもしゃあないと思ってたから」と答えた岡田監督。仮に梅野がスチールに成功すれば２死二塁で木浪が一打勝ち越しの勝負ができる。四球で歩かされた場合には９番まで打順が回り、次のイニングは近本から攻撃が始まり、クリーンアップへつながっていく。

　仮にアウトになったとしても八回は木浪から攻撃が始まり、出塁すれば得点圏に走者を置いてリーグ打点王の近本が打席に立つ確率が高い。局面、局面だけでなく、次のイニングの攻撃まで計算しつつ、岡田監督は梅野にアウト覚悟でスタートを切らせていた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d88905324bd6d23a83c6d43e4beb612a2df14f07

ナイス打順調整
やるやん梅野

よく走った

ナイス梅野

これでええんよ