阪神からドラフト４位で指名された前川右京外野手（１８）＝智弁学園高＝が１３日、大阪市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金４０００万円、年俸５００万円で仮契約した（金額は推定）。ルーキーイヤーの今季２４本塁打を放った佐藤輝明内野手（２２）の「相棒」となり、球界を代表するスラッガーに成長することを約束した。

■今夏、甲子園を沸かせたスラッガー

紅茶をたしなむアノ警部のように、仮契約を終えた前川は落ち着いていた。プロの世界でも、おや？　妙ですねぇ…と、鋭い洞察力で解決の糸口を見つける。虎にやってくる右京さんは、さっそく〝相棒〟を見つけた。

「（佐藤輝に対して）見ていて、とても食いついてみてしまうみたいな魅力のあるバッターなので、自分も魅力のあるバッターになれるように頑張っていきたいです」

高校通算３７本塁打。準優勝した今夏の甲子園でも２発７打点をマークしたが「まだトップが２回入ってしまったり、下半身からまだ全然いけてないことがある」と力を十分に伝えられていないという。「体も大きくて、ボールに対してフルスイングして打球を運ぶっていう形の打者で、自分もそういう打者になっていきたい。全て聞いて学んでいきたいです」。５学年上の先輩に食らいつき、長距離砲としてのワザを吸収すると誓った。

■あの警部と同じ名「好きです」

ＡＢＣテレビ系の人気刑事ドラマ「相棒」で水谷豊演じる主人公・杉下右京と同じ名前。画数と響きの良さからつけられたという。「自分の中でも、右京っていうのが好きなので、右京って呼んでもらえたらうれしい」。近い将来、クリーンアップを担うことが特命。これから次々と〝事件〟が起きるかもしれない。それでも一人じゃない。今季チーム最多の２４本塁打を放った佐藤輝がいる。来春の宜野座キャンプから相棒の〝シーズン２２〟が始まるかも⁉

■いすれは虎の、日本の主砲に

「阪神タイガースのクリーンアップを打って活躍できるように頑張りたい。日本を代表する選手になるのが自分の目標。それまでの過程が一番大事だと思うので、その過程をおろそかにせずに、小さいことを積み重ねてやっていきたいです」

細かいことが気になってしまうのが僕の悪い癖？　でも、それがプロで生きる道。今季Ｖ逸の原因になった得点力不足という課題に対し、杉下警部と冠城巡査のように着実に進む。あっ、最後に一つだけ！　前川右京が、虎の未来を明るく照らすことは間違いない。