「左手でティーをやっていましたが、まだまだ思うようにバットを出せない。日常生活からはしを左手で持ったりすることは大事だと思います」

　わずか２８試合の出場で１安打に終わった今季。「右で当たらないから」という片岡ヘッド兼打撃コーチの提言もあり、１７日からスイッチに挑戦している。秋季キャンプでも３日間ではあるが、左で何千スイングと振った。もちろん、オフも振る。しかし、それだけでは足りない。日常生活の一部である食事から意識を変え、使い慣れない左手をとことん使ってやろうというわけだ。

　左腕の感覚が必要なゴルフや、左足で蹴ることができる方が有利なサッカーではしばしば聞くが、野球では異例の珍トレ。もちろん「右があっての左。やっぱり右の量も減らさないようにしたいです」と本来の右打ちをおろそかにするつもりは全くない。「とりあえず慣れる。形になるまでやるしかない」と、両方の打席に立って徹底的に振り込む構えだ。

「片岡（ヘッド）さんも、（新井）良太（育成コーチ）さんも『２０年分振れ』といわれていた。やらないと中途半端になってしまう」

　１軍に居場所を取り戻してみせる。勝負の冬を乗り越え、来春の１軍キャンプの切符をつかむ。
http://www.sanspo.com/baseball/news/20171121/tig17112105030003-n2.html