阪神・西勇(左)と大山（東スポWeb）

　阪神は１８日の広島戦（甲子園）に２―１で勝利した。だが、首位ヤクルトの優勝マジックは４と１６年ぶりＶにむけては依然、厳しい状況だ。とはいえ、クライマックス・シリーズ（ＣＳ）も含め、日本一の可能性が消滅したわけではない。そんな悲願をかなえるためには投打の看板選手の奮起が欠かせない。

　ＣＳ進出をかけ挑んできた４位・広島相手に何とか連敗を回避し、１９日からのヤクルトとの直接対決２連戦にＶへの望みをつないだ。試合後の矢野燿大監督（５２）も「もう勝つしかないので。全員でやりきります」と、本拠地・甲子園での徹底抗戦を約束した。

　数字上では厳しくなっているペナント制覇への道だが、現行制度ではＣＳという「もうひと勝負」もある。そんなポスト・シーズンへむけても「このまま終わってほしくはない」とチーム関係者も奮起を期待するのが、チームのエースと４番。西勇輝投手（３０）と大山悠輔内野手（２６）の２人だ。

　仮にＶ逸となれば２人の名前は「たら、れば」でいやが応でも挙がる可能性が高い。今季の虎戦を戦い終えたライバル球団関係者も「今年の阪神は間違いなく去年より強かった。野手は佐藤輝、中野、投手で伊藤将と新人が３人も戦力になったわけだし、外国人だって使い方が難しかった部分はあるにせよ、ロハス、アルカンタラとかも入って、ヨソからすればうらやましいぐらいに選手層は厚みを増したわけだから」と振り返る。

　となると、昨季までの現有戦力で今年は「計算」されていた主力に厳しい目が向くのは致し方のないところ。チーム関係者も開幕前に指揮官が「エース」と「４番」として信頼を寄せた２人の貢献が物足りないという事実を否定しない。

　１３日の巨人戦で右ヒジに異変を訴え緊急降板し現在、戦線離脱中の西勇は規定投球回こそ到達したものの、１１勝５敗で６つの貯金をもたらした昨季から一転、６勝９敗と３つの負け越し。主砲・大山も７１打点はチームトップ・タイも得点圏打率は２割１分を切り、この日は４打席すべて空振り三振という体たらくだった。ヤクルトの４番・村上宗隆が１０７打点、得点圏でも３割近くのアベレージを残している。ここ一番での４番の仕事は、矢野監督が待望し続けて久しい部分だ。

　果たして虎のエースと４番は、レギュラーシーズンの消化不良をＣＳの短期決戦で清算できるか。それは日本一奪還の機運にも大いに関与してきそうだ。

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