「出ている以上はもちろん、シーズンを通してこういう数字で出る世界で、いつかは獲りたいと思っていた賞でした。前半、使ってもらった（金本）監督に感謝したいです」

　今季は自己最多となる１３２試合に出場し、盗塁阻止率・３２０はリーグ２位。阪神の捕手が同賞を受賞するのは２０１０年の城島以来。生え抜き捕手に限ると８５年の木戸以来、３３年ぶりだ。また、最下位に沈んだチームの捕手が受賞したのはセリーグ史上初となった。

　胸を張ったのは、ワンバウンドのストップ。「数字に表しづらいところで、そういう印象というか。捕手はみえないコミュニケーションであったり、悪球の処理も大事になってくるので」。記録には残らない。それでも投手が力いっぱいに投げる球を、体を張って止めてきた。青あざを作りながらも本塁を死守してきたことが、形となって報われた。

　今季は才木や望月ら、若手の台頭があった投手陣。経験の浅い選手には「自分も周りの年上の人たちから教えてもらったことをなるべく伝えていくように努力してきたつもり」とコミュニケーションは欠かさなかった。状況や場面によって左右される確率。その中で「こうした方がいいんじゃないか」と若手に気を配り、自身も成長を続けてきた。来季で６年目。目指すのは“勝てる捕手”だ。

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